【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
ルークが抜けたまま暫く歩き、気付けば相当な距離を稼いでいるようだった。
ワイアットは、その思慮深さからウーゴの動向について考えていた。


怪我を負ってからというもの、何か違うのではないか…。
彼女は果たして、ただの従事者なのだろうか…と。


それを、密やかにオリヴァーに告げると、オリヴァーは自分もそう感じていると相槌を打ってくる。


「おかしいですね…。私にはどうしても彼女がアリアの為だけに此処にいる訳ではないと思うのです…」


オリヴァーの言うことは最もだと思う。
その証拠に、クロエやエステルが危険な目に遭いそうになると、彼女は人格が変わったように敵へと戦いを挑む。クロエやエステルにだって、護身術程度ではあるが身を守る術くらい持ち合わせているというのに…。
それも、今まで聞いたことのない呪文や技を繰り出してくる…。

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