次期王従者の花嫁 ~実は心に決めた人がいました~(次期王の花嫁番外編)
城下町
扉を開けても、そこには誰もいなかった。
静まり返った空間。
乱雑に置かれた本や書類。机の上に放置されたままのカップなど、生活感のある部屋。
それなのに、自分の存在が異質に感じるのは、いつの間にか模様替えされていた家具の配置のせいかもしれない。
1年以上ぶりの、帰宅だった。
リビングに置かれている慣れ親しんだはずのソファに座り、天井を仰ぎ見て息を吐いた。
「まだここに、俺の居場所はあるのかな?」
明るく軽い口調に自嘲した笑みを浮かべる。
転がったソファから懐かしい香水の匂いを感じて、彼は瞳を閉じた。
静まり返った空間。
乱雑に置かれた本や書類。机の上に放置されたままのカップなど、生活感のある部屋。
それなのに、自分の存在が異質に感じるのは、いつの間にか模様替えされていた家具の配置のせいかもしれない。
1年以上ぶりの、帰宅だった。
リビングに置かれている慣れ親しんだはずのソファに座り、天井を仰ぎ見て息を吐いた。
「まだここに、俺の居場所はあるのかな?」
明るく軽い口調に自嘲した笑みを浮かべる。
転がったソファから懐かしい香水の匂いを感じて、彼は瞳を閉じた。
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