彼氏彼女のバカ事情
「梅干しのおにぎりがないっ!」
彼女が一点に見つめるその先は、
先程、健児が見つめていた棚であった。
勿論、健児のことも
彼女は視界に入れてない様子。
「うわぁ~マジでぇ……私、朝はいつも梅干しのおにぎりとコーヒー牛乳がお決まりなのにぃ……。
ねぇ、これ…ありえなくなぃ↑!?」
出た。
彼女の口癖“ありえなくなぃ↑?”
「ほんっと困るぅ!マジ明日はブルーっぽくなぃ!?
マジ朝からテンション下げ下げじゃん………
誰?
私の朝食奪った奴…ねぇ、これってイジメっぽくなぃ!?
超“イケメン”なんだけど!
マジ惚れるんですけど!///」
……………。
イケメン?
イケてるMEN?
違う………くなぃ?
「―(爆笑)―!」
しかも……笑ってる。
そう、彼女も健児と同じく変わったやつ。
あえて“バカ”とは言いません。
馬にも鹿にもなれそうにはありませんから。
いつも口調は疑問形。
そして最後は必ず笑う。
ある意味、『平和』という言葉が似合いそうだ。
(ちなみにイケメンは陰険の間違いである。)