彼氏彼女のバカ事情
‐健児という男‐
「おぃおぃ…ヤベェ感じじゃねぇ!?てかこれ…マジありえなくねぇ!!!?」
誰に尋ねるわけでもないのに
常に疑問形がお決まり。
狭い店内にこだまするこの声の主は
この物語の主人公、宮崎健児、二十歳。
東京生まれの東京育ち。
宮崎県なんて………彼に言わせれば
「あれ?もっと上の方じゃねぇ?」
的な知らない土地であるが彼の名前は『宮崎』の『健』康な『児』
そう、全く関係ない。
ちなみに…彼の“上の方”とは東北でも宮城を間違えたのでもなく
“上野”のことである。
そんな彼がある場所で、かなりのダメージを受けたまま突っ立っていた。
店員が行き来しても無視。
他の客はあえて触れたくないのだろう。
彼を避けるようにして店内から去っていく。
営業妨害?
そんなこと彼にとって問題ではない。
それよりも問題なのは…