お姫様は俺のモノ
海の家には、出来上がった様子の担任が、イビキをかいて寝ていた。



パーカーを白雪に着せると、前を閉める。



自分でも、思う。


意外に独占欲高いんだ、と。


俺の隣が、白雪。


白雪の右隣が、颯。


なんで、こうなった?


誰だよ、颯をこの位置にした奴。


白雪なんて、緊張で固まってるし。


「なあ」ーーーーービクッ!!



颯の声に白雪が、ガチガチに怯えてるのが分かる。



「さっきは、ごめんな。海もわりぃ。


だけど、俺は白雪が好きだ。



俺の姫になれ」



時が止まったかの様なその静けさに、夏なのにひんやりした。


誰もが聞こえるはずなのに、誰も何も言わない。  


セミの鳴き声だけが、嫌に煩かった。



< 134 / 231 >

この作品をシェア

pagetop