お姫様は俺のモノ
「何、そのウサギ」


あのね……、と顔を赤らめて話す白雪がまた可愛い。


「抱き締めてないと寝れないから。


売店で、迷子になってるこの子を見つけて、一緒に寝るの。


ねぇ、うーたん」


うーたんーー?


正直、うーたんになりてぇーと思った。


布団を敷いて、枕に横になる白雪はうーたんを抱き締めると目を瞑る。



「おやすみなさい」



「……………寝たかな?」


新が、白雪の顔を覗く。   



「………スースー。ーーんっ」


ーーービクッ。



何、今の声ーーーー


スマホを弄ってた雷も。


トランプをしていた陣も玲音も。



本に目を通してた颯も。



全ての動きを止めた。



思わず寝ている白雪を見る。



サラサラな柔らかい髪も、うーたんを抱き締める華奢な腕も、透き通る肌もーーーー


全てが整っていた。


「俺ちょっと売店行くわ。」


「俺らも」


雷、新、陣、玲音。


我慢できなかったか。


「颯は行かないのーー?

全然動揺しないよね」


スマートな発言な海に、淡々と答えた。



「俺は常に理性はある。」


「理性あるなら、もう白雪にキスしないでよ」


しら~、といい退ける海に苦笑い。


たしかに、と笑った。


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