お姫様は俺のモノ
「新は一言余計なんだよ」

ため息を吐く颯が、軽く睨む。


「さすがに寝ている女の子襲うほど、悪じゃねぇーよ」


チラリ、と寝ている白雪を見る。


安心しきった顔で寝る白雪を見つめる。



なんの疑いもなく、歪みの知らない柔らかい髪も…………


彼女が、"純粋で無垢な少女"だと物語る。



その柔らかい髪に、触れそうになるその瞬間ーーーー



誰かが俺の手を掴んだ。



「海ーー」



無表情に、見下ろす海の目は、俺を捉えて離さない。


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