お姫様は俺のモノ
ー お姫様の憂鬱その7 ー

*君の守り方はきっとこう*

掴みかかるかと、思ったが颯はしなかった。



それぐらいのことを、相手はしたのに。


いつもなら、いつもの颯ならーーー



「白雪、大丈夫か?怪我ないか?」


震えてる白雪が、瞳を潤ませて俺を見上げる。


「…………グスン。ありがとうございます。

颯さん」


白雪を抱き締める颯が、地べたで座り混むプリン頭を睨んだ。



「おい、そこのプリン。


二度と姿現せんな。」


「…なんで、この街じゃ俺が一番最強なのに。

あんた一体ーー」



あれで最強ーー?



思わず鼻で笑うと顔を赤くするプリン頭。


「颯龍知ってる?」


ニヤニヤと、雷が笑うと名前を聞いて気づいたように目を見開く。


「まさか、颯龍総長・柊 颯か!?」 


へ~知ってるんか?


「なら、わかるよね?普通ならボコボコにするとこを見逃すから消えてくれねーか?」 


颯らしくない物言いに目を丸くするのは、プリン頭だけではない。


「なんでだよ、白雪ちゃん一歩間違えばヤバかったんだぞっ、許すのかよ」


雷がボコボコにするジェスチャーをして怒る。


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