お姫様は俺のモノ
俺は、キスをした。


唇に触れるだけのキス。


次第に、優しく上唇を舐める。


ピクリ、と反応があり、顔を見ると、目を覚まし瞳は揺れていた。


「颯さん、グスン…会いたかった。


私、颯さんが、好きです」


涙目で上目使いの白雪に、鼓動が早くなるのを感じる。



「白雪は、俺が大事にする。


好きだ、側に居て欲しい」



やっと言えた。


たくさん遠回りした。


病院のベッドの上で、唇と唇が合わさる。


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