お姫様は俺のモノ
温泉宿に着いて、部屋に案内されると二つの布団がくっついてあるのを見て真っ赤になる私。


何これ、何これ、何これーー


颯、見てるじゃん。

あー、恥ずかしい。


「布団離そうか?そうだ、そうしょ」


布団を離そうと、近づくと颯が私の腕を掴んだ。


ーーーードサッ
  
 

えっーーーーー私、押し倒されてる?



「いいよ、そのままで。


やっと、白雪とキスできる」


有無を言わせない、瞳で私を見下ろしそして触れ合う唇に体が火照り出す。


唇から耳に首筋に降りてくる度に、漏れる声。


「やぁ。んっ、颯」



何これ何これ、これ私の声?


恥ずかしくて、顔を隠すもまた囚われる。



「可愛いよ、白雪。もっとみたい」


意地悪な颯の顔にまたトキメク。


ずるい。



「待って、私初めてだから優しくしてね」


初めてって、やっぱり引くかな?


颯は、きょとん、として見る見る顔が赤くなる。


「颯……?どうしたの?」


もしかして、照れてる?


私はこの人の顔を見て、胸が暖かくなるのを感じた。


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