【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「わっ、もうこんな時間…!
話しすぎちゃったね、ごめんね?!」
慌てる先生。
「いえいえ!楽しかったです。
また聞かせてください!」
──(先生と2人で話す時間は)楽しかったです
──また(今日みたいに2人きりで先生の話を)聞かせてください
本当に言いたいことは奥の奥に隠す。
もはや誰の話題でもいい、何のことでもいい。
先生と話せるのなら…
今まではこんなに欲深くなかった。
ただ先生を見つめていられるだけで良かった。
…なのに。
こんな風に先生と時間を過ごしてしまったら今までのことでは満足できない。
もっともっとって。
中安智弘先生、中安祐也くん。
今から相川千紗は──私は少しだけ悪い子になるかもしれません。