【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「何か…しんどいんだよね」
「クラスで嫌なことでもあるのか?」
「それはないかな、楽しいし!」
私がそう言うとセンセーは、んーと唸ってからため息をついた。
もしかして…迷惑になってる?
「私がここにいたら…迷惑になる?」
「…え?」
思いもよらないといった顔をしてセンセーは顎に手をやる。
「学校…としたら良くはないよな。こうして授業サボってるわけだから」
サボってないよ…自習だったから。
自習なら、センセーの顔が見たかった。
…センセーの声が聞きたかったんだよ。
「じゃあ、学校としてじゃなかったら?
センセーは…どう思ってる?」
ここで一言、迷惑だなんて言われたら諦めがつくのに。
でもセンセーはそんなこと言わないって心のどこかで思ってる。
…だって、優しいもん。
「俺…?あーー…うん。
迷惑じゃないよ、むしろ助かってる。内海と話してたら暇しないし」
ほら、やっぱりそういうこと言う。
だから好きなの止められないんだよ。
…なんて、センセーを言い訳にしてるだけだ。