【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「梨奈ー…」
楽しかった私たちの会話が終わらせたのは、そう言って入ってきた1人の男子だった。
「部活終わった…から早く帰ろうぜ」
センセーを見るなり少し不機嫌になる彼は同じクラスの鈴木。
茉優と同じバスケ部。
最近は一緒に帰ってるんだけど…
「あ…うん」
もうちょっと話していたかったな…なんて思いながら席を立つ。
歩き始めたその時、腕を引っ張られる。
「…また明日ね」
その犯人はセンセーだった。
え、え、え?!
また明日ねって言った?!!
明日も来ていいの…?
嬉しい。素直に嬉しい。
「…っ!はい!」
その気持ちを一杯に込めて返事をする。
私が保健室のドアを出ると同時に、何故か鈴木はセンセーの元へ歩いていった。
「梨奈ー、ごめんね?遅くなっちゃった」
少し駆け足で来た茉優によって、それ以上鈴木の行動に対して思うことは無かった。