【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…


「ねぇ、そんなにいいの?」





ガラッとドアを開けて入ってきたのは。





「…アニキ。
どこがいいの、顔?性格?」





振り向くと、それは普段話したこともない同じクラスの中安 祐也(なかやす ゆうや)だった。


まさしく彼は、中安先生の弟。





「…え?」

「顔ならさ、ちょっと似てるって言われるよ」





何が彼をこんな行動に移したのか、私にはわからない。





「えっと…」

「ねぇ、俺にしない?」





先生のことばかり考えていた頭が一瞬のうちに真っ白になった。

< 3 / 127 >

この作品をシェア

pagetop