【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「ねぇ、そんなにいいの?」
ガラッとドアを開けて入ってきたのは。
「…アニキ。
どこがいいの、顔?性格?」
振り向くと、それは普段話したこともない同じクラスの中安 祐也(なかやす ゆうや)だった。
まさしく彼は、中安先生の弟。
「…え?」
「顔ならさ、ちょっと似てるって言われるよ」
何が彼をこんな行動に移したのか、私にはわからない。
「えっと…」
「ねぇ、俺にしない?」
先生のことばかり考えていた頭が一瞬のうちに真っ白になった。