【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「行こう!梨奈!」
そんなことを考えていると突然、鈴木に左手を引っ張られる。
「なっ、おい!」
慌てて(?)康介も私の右手を掴む。
そのまま二人とも私の腕を引っ張って…
これでは私の体が真っ二つに裂けてしまう!
「二人とも!落ち着いて!」
私は同時に両腕を振り払う。
「…鈴木、何かあったの?」
「何かあったのって…今がまさにその"何か"だろ」
わからない。
何でこんなに鈴木が息を乱しているの?
「諦めて身を引くのが自分のためだぞ。
もう梨奈は俺の恋人なんだから」
そう言ってぐいっと私の肩を引き寄せる。
「俺は認めない…!
こんな、こんな…」
「別にお前に認められなくてもいいけどな」
康介も康介で…どうしてそんなに焚きつけるようなこと言っちゃうの…?!