【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「相川さん、相川さん!」
大好きな先生の授業が終わって、教科書やノートを片付けていると
大好きな先生に、ちょちょっと手招きされた。
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私は先生が贔屓にしている花屋の娘。
この中で先生のプライベートを見たことがあるのはきっと私だけ。
寝癖のままで眼鏡をかけて少し暗めの先生をいじる女生徒。
私は彼女たちを見ながら
清潔感溢れる先生を知ってるよ
その白衣の下にはほくろが隠れてて
先生が彼女さん──奥さんと会う前の表情はね…
って1人で優越感に浸っては
その本当の先生を見せてくれるのは私に対してじゃないことに
──1人で寂しく思う。