【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…

「…蒼汰、貴方のこととても好きだったのね。何回も夏未って呼んでるのが聞こえたわ…
ずっと貴方とのこと後悔してた。無理させてばかりだったって」

「そんなこと…
私は先生と一緒にいれるだけで幸せだったんです…」





なのに、その先生はもうどこにもいないんだ。





「自分ができなかった分、幸せになってほしいって蒼汰からの伝言…頼まれてた…の」





そう言いながら涙ぐむお母さん。


それにつられて私の目からも零れていく熱い雫。


ねぇ、先生。見てる？



先生がいなくなって、こんなに悲しんでる人が2人もいる。


罪な男だね、先生はそんな人を置いて行っちゃったんだから。




だからね、先生は私がこれからすることに文句は言えないよ。