【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
屋上の扉を開けると夕陽がまぶしくて目を閉じてしまう。
風が吹いているのを肌で感じた。
一歩、また一歩進んでいく。
「先生、私を先生の元に連れて行って…」
つま先が地面から飛び出る。
目を開けたら、きっと躊躇してしまう。
だからそのまま体を前に倒す。
下に向かって風を切る感覚。
落ちている、胃が浮く感覚。
もう思い残すこともない。
私には先生が全てだったんだよ…