【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…


高校、そして大学を卒業した私は学校のカウンセラーを経て、ある事業を始めた。





「本日は井上夏未さんにお越しいただきました」

「こんにちは、初めまして」





こうして、たまにTV番組にも呼んでもらえるようになった。





「井上さんは新しい事業を始められたそうですね?」

「はい。
人は誰しも悩みを抱えているものです。その中には誰かに打ち明けることで軽くなることもあると思います。
でも家族や友達、知っている人には言いにくい…そんな時に私たちが少しでも役に立てたら、とそう思って立ち上げました」





もし、誰かに相談できていたら…何か変わっていたかもしれない。


私のような人が少しでも減ってくれたら嬉しい。

悩みを、後悔を抱えたまま生きるのはしんどすぎるもの。




きっと、先生も笑顔でいてくれてるはず。


だって私、幸せだから。

< 69 / 127 >

この作品をシェア

pagetop