【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「良いか?
ここ乗り越えたらあとは単純だからな」
先生はとても楽しそうに授業をする。
クラスのみんなも数学は好きじゃないけど、多分先生の授業は好きだと思う。
授業をする先生はキラキラ輝いてる。
だから先生の一言一言が私を虜にするんだ。
「おーい、ちゃんとこっち見とけよ」
私語をする生徒に対しての言葉も
『桜織?
ちゃんとこっち見ろよ。俺だけを…見てればいいんだぞ?』
頭の中で変換してはニヤついてしまう。
世間ではそれを妄想という。
…伝えられないなら、妄想の中で先生と。
そう思うのはしょうがないことだと思うのです。
「岡田も寝んなよ~」
「ね、寝てないです!」
…先生が好きだから、妄想で先生と話してました、なんて言えないから絶対内緒。