【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「太一~!」
向かった先は竜崎太一先生。
まさしく、私が密かに想いを寄せている数学教師。
「本当に先生じゃん、太一っ!
なーんか信じられない!」
「だから俺は教師だって言っただろ?
凪が信じなかっただけでさ」
親しげに話す先生と美人さん。
「もしかして…あれが先生の彼女だったりするのかな?!」
その一言にズキリと胸が痛む。
改めて現実に叩きつけられた感覚。
あんな綺麗な人が先生の彼女…
それなら知ってる人が良かったかも…なんてね。
あの人といる先生は、全然知らないところにいる先生のような気がしてどこか落ち着かなかった。