【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「発表日って今日だよね…?」
「うん…」
まあ、そこまで期待はしてないし自信もないし…
「私が緊張してきたー…!」
「いやいや…何もないから緊張しなくてもいいでしょ」
そう思ってたのに、携帯を開けばメールが1通。
『特別賞受賞のご報告』
なんと、私の漫画が選ばれたようだった。
「すごいすごい!!
おめでとう!!!!」
隣で見ていた美月が涙目でそう言ってくれる。
けど私はいまいち実感がわかない。
実は夢でした…とか。
頬をつねると痛みが走る。
どうやら夢ではないらしい…
「これ受賞者は漫画家としてデビューできるんだよ!
桜織、漫画家さんだよ?!すごいよ!!」
興奮覚めやらぬ様子の美月。
私もじわじわとこみ上げてくるものを感じた。