【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…


「あ、そうそう!漫画家の花吹うらら先生の新作がね、今度出るんだってよ~」

「本当に?!
私すごい好きなんだよね…!」

「今回は先生と生徒のお話で、実話なんだって!」





なんというタイムリーな…





「先生と生徒って、やっぱりどこか漫画だから…って思うところがあるんだよね」





あ、でも実際にフリだとしても京香は先生と付き合ってるんだったね…って付け足して笑う。


私の両親は元々、養護教諭と生徒だったらしい。

でもだからって嫌なことがあったとか、そんな話は聞かない。

少しだけ年の離れた夫婦。


学校にいる間は先生と生徒、でもその枠から出てしまえばただのカップルに変わりはないんだろうなって思ってきた。

今回の花吹うらら先生の新作も漫画だから、とか他人事のように聞こえない。


好きになってしまうことは仕方ないと思うのだ。

相手がどんな人だったって、素敵な人は素敵だし好きになるものは好きになっちゃう。



私はまだそんな人には出会ってないんだけれども…


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