【完】【短編集】先生、"好き"を消せません…
「センセ、この前の話なんですけど…」
放課後、教卓のところにいるセンセに小声で話しかける。
「え?あぁ、高山。俺も聞きたかったんだ。何で突然こんな彼氏のフリなんて言い出したんだ?」
「実は…」
もうすでに創くんが正門前にいる。
彼の方を見ながら、私の今の状況を話した。
「お前も色々大変なんだな…」
「お前、も…?」
「いやいやこっちの話」
「それで、その一緒に帰ってくれませんか?その子がまだ正門で待ってるみたいで…」
ずっと見てたら創くんと目が合ってしまう気がして、慌てて目線をセンセに逸らす。
「そりゃ困ったな…わかった。もうしばらくかかるから待っててくれ」
「わかりました」
たまたま学校の宿題があって良かった。
…退屈するところだった。