これは恋ではありません
「かーーーおーーりーーーん!」




そう言って美琴は走ってきて




私に抱きつく。




「大丈夫?」




抱きついたまま、不安そうな顔をして




美琴は私を見つめた。




…随分、平然としてるんだな。




なんて、ちょっと黒いことを考えてしまった。




「…うん!もー大丈夫。心配かけてごめん!」



「…私はかおりんの、心配なんてしてないよぉ?」




「へ?」




「かおりんのせいで、ひーくんも、陸くんも上の空だよぉ…。」





そう言って美琴は一瞬泣きそうな顔になった。
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