日々カオス 〜私に起こるのはこんなことばかり 〜
「今日はこれからみんなでカジノに行くよ。」モーシンのビジネスチーム、別名『海賊一味』は、カジノへ向かう準備をしていた。

「ストレスの発散の仕方がわからなくて、以前カジノで相当な金額の損出を出した。」と彼は私に言っていたが、それについては反省はしていなかったらしい。

モーシンは私のバックの中に封筒に入ったお金を詰め込んだ。その札束には100万円位はありそうだった。…あれ?私は『海賊一味』の女なのか?本人たちは何も荷物を持ちたくないらしい。

それにしても、カジノに行くなんてなかなかない経験だ。なかなか珍しい経験なので、心の中では楽しんでいる。『海賊一味』の一人のラーマン余裕の表情でポーカーに取り組んでいるが、足の方は激しく揺れている。心の中は虚ろなようだ。

カジノのメンバーは無料でご飯が食べられるらしく、見た目は仲良く『海賊一味』と一緒にご飯を食べた。心の中では「この一味に入らされては困る」と思いながら、一線を引いて時間を過ごした。

結局その日は、『海賊一味』は全部で30万円の損出を出したらしい。けれどその3日後には80万円の投入で、50万円を払い出したらしい。モーシンは、「なんとなくコツをつかんだ」とつぶやいた。

カジノでの一仕事を終えた後、『海賊一味』は共に悪さを始めるための会議をするために、私をホテルに置いて、どこかに出かけた。

モーシンは、その一味とは粗いベンガル語で話をしている。彼は自分の国では村出身だそうで、自分の故郷を匂わせる何かに触れると、より野性的 (野蛮?)になり、話し方もどんどんうるさくなる。オーストラリアという彼の日常とは離れたところに来たので、いろんな意味でマインドのブレーキが取れているらしい。日本の社会ではありえないボリュームのうるささだ。

私は彼とどうやってコミュニケーションを取れば良いのだろう?非現実的なムードに浸ってお互い楽しむことはできるけれど、現実的なことをできそうな気は全くしない。

私は彼の言語(ベンガル語)がわからない、彼は英語はかなり話せない、彼は日本語のひらがなも読めない、だが、会話はなんとなくできる。『海賊一味』を一つと捉えて、自分の言いたいことは英語のわかるメンバーに伝えれば良いのであろうか?

それにしても、日本語は美しい言語だな。なんか素敵だな。。。
ホテルで一人で紅茶を飲みながら、自分はこれからどうしていこうか考え始めた。
なんかカジノの派手さに触れてから、心が空っぽになった。

こんな『海賊』と一緒にいていいのかな?一緒にいるのをやめたところで、人生どうしていいのかよくわからないよ。
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