ドラゴンの血を引く騎士は静かに暮らしたい
ドミレスタ帝国にて
皇帝オルラント・イベルダ・ドミレスタ
母上の祖国リオレルも我が領土となった。
魔の山からこちら側はあと少しで全てドミレスタ帝国の領土となる。
「実に呆気なかったな。こんな簡単に勝てるならば、もっと早くから仕掛けるべきだった」
そう呟くと
「陛下の治世になる迄は動くわけには行きませんでした故、致し方ないかと。後は向こう側も手中に収めればジルギーリ大陸の覇者となれましょう」
そう恭しく頭を下げて告げるは宰相ゲイル・マクレガー。
宰相にして、軍師。
この侵略もゲイルが居てこそ成り立つものだった。
「そうだな。今の我が帝国には負ける要素は無い」
「えぇ、左様にございます」
魔の山さえ無ければもっと事は早く進むが致し方ない。
「ナジェントを拠点に早くシルベスターを手中に収めて、ジルギーリを制覇せねば。ジルギーリの覇者は俺だ」
「御意にございます」
そうしてゲイルも執務室から下がり一人になると
「ふふ、順調だね。オルラント?」
ニヤリとした表情を浮かべて俺の前に立つ子ども。
背格好は子どもだが、醸し出す雰囲気はもはや子どものそれではない。
「あぁ、そうさ。順調だ。もう少しで俺はこの大陸の覇者となる」
「そうだね!早くシルベスターをこわしちゃって?」
そう俺に告げるは悪魔の使者であった。
もはや、彼は彼ではない事に周囲の誰も気づいていない。
魔の山からこちら側はあと少しで全てドミレスタ帝国の領土となる。
「実に呆気なかったな。こんな簡単に勝てるならば、もっと早くから仕掛けるべきだった」
そう呟くと
「陛下の治世になる迄は動くわけには行きませんでした故、致し方ないかと。後は向こう側も手中に収めればジルギーリ大陸の覇者となれましょう」
そう恭しく頭を下げて告げるは宰相ゲイル・マクレガー。
宰相にして、軍師。
この侵略もゲイルが居てこそ成り立つものだった。
「そうだな。今の我が帝国には負ける要素は無い」
「えぇ、左様にございます」
魔の山さえ無ければもっと事は早く進むが致し方ない。
「ナジェントを拠点に早くシルベスターを手中に収めて、ジルギーリを制覇せねば。ジルギーリの覇者は俺だ」
「御意にございます」
そうしてゲイルも執務室から下がり一人になると
「ふふ、順調だね。オルラント?」
ニヤリとした表情を浮かべて俺の前に立つ子ども。
背格好は子どもだが、醸し出す雰囲気はもはや子どものそれではない。
「あぁ、そうさ。順調だ。もう少しで俺はこの大陸の覇者となる」
「そうだね!早くシルベスターをこわしちゃって?」
そう俺に告げるは悪魔の使者であった。
もはや、彼は彼ではない事に周囲の誰も気づいていない。