ドラゴンの血を引く騎士は静かに暮らしたい
皇后ヴィアンカ・サーラ・ドミレスタ
やっと、やっとこの時が来た。
私の息子オルラントが玉座につき皇帝となった。
これでこの大陸の覇者の母となる。
オルラントは自分で産んでおいてなんだが、とても優秀であれが天才という人間なんだろうと思う。
オルラントは一度見聞きするだけで、覚えてかつ自分のモノと成し得ることの出来る稀有な子だった。
天賦の才である。
だからこそ野望を抱いた。
我が息子こそ大陸の覇者たるに相応しい。
夫である前皇帝も確かに良い人物ではあったが、覇者の器ではなかった。
故に息子の邪魔になる前皇帝をゆるゆると毒に犯して1年ほどで身罷られるように仕向けて、とうとう事を成しえた。
やっとこの天賦の才の息子が開花できると。
いつの頃からかこの思想に取り憑かれていた皇后は、侵略の戦果を聞く度にほくそ笑んでいた。
「もうすぐ、私の夢が叶う。大陸の覇者の母、国母として慕われ敬われる、私。あぁ、オルラント。早く母を国母にしておくれ」
妄想に取り憑かれた皇后は輝かんばかりに微笑むが、その背後は暗く澱んでいた。
私の息子オルラントが玉座につき皇帝となった。
これでこの大陸の覇者の母となる。
オルラントは自分で産んでおいてなんだが、とても優秀であれが天才という人間なんだろうと思う。
オルラントは一度見聞きするだけで、覚えてかつ自分のモノと成し得ることの出来る稀有な子だった。
天賦の才である。
だからこそ野望を抱いた。
我が息子こそ大陸の覇者たるに相応しい。
夫である前皇帝も確かに良い人物ではあったが、覇者の器ではなかった。
故に息子の邪魔になる前皇帝をゆるゆると毒に犯して1年ほどで身罷られるように仕向けて、とうとう事を成しえた。
やっとこの天賦の才の息子が開花できると。
いつの頃からかこの思想に取り憑かれていた皇后は、侵略の戦果を聞く度にほくそ笑んでいた。
「もうすぐ、私の夢が叶う。大陸の覇者の母、国母として慕われ敬われる、私。あぁ、オルラント。早く母を国母にしておくれ」
妄想に取り憑かれた皇后は輝かんばかりに微笑むが、その背後は暗く澱んでいた。