君はいつも、心の中に。
約束
幸「ふふ、泣かないで。」

『幸、来年も、再来年も、ずっと笑っていようね。

あったかい春が来たら、もう1回、ここに来ようよ。』

来年は、どうなっているんだろう。

幸が、少しだけ悲しそうな笑顔で、困ったように笑って頷いてくれた。


幸「さ、そろそろ本当に寒くなってきたね、入ろうか。大丈夫?」

手をこすって暖かくしていると、心配そうに私の手を見た。

『大丈夫だよ〜。』

幸「……はい。」

手を、差し出された。

……?

『え?』

幸「だ、だから、手!」

手?……手……

ボンッ

二人共、一気に顔が紅く染まった。

幸「ふ、2人の方があったかいでしょっ」

手を繋いで幸のポケットに手を入れる。
耳まで真っ赤な幸が面白くて、ゆでダコみたいだった。


『ふふ、あったかい。』

凄く、凄く今までにないくらい幸せだった。
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