君はいつも、心の中に。
幸のお母さん
"桜庭叶ちゃんへ。
はじめまして。幸の母です。
幸は一ヶ月前、実家にて、息を引き取りました。叶さんの存在は、前々から幸によく聞かされておりました。
何度も会いに行きたいと、そう、悲しそうに言っておりました。幸は、生まれた時から重い病を患い、貴方に出会った時はもう、いつ死んでもおかしくない状態だったのです。
……息子は、末期のガンでした。
いつもは悲しそうにしている時も、貴方の事を話す時は必ずとても嬉しそうに楽しそうに話をするものだから、その嬉しそうな笑顔が目に焼き付いています。
ずっと、亡くなる直前まで、貴方のご両親にいただいたミサンガを見つめ、千切れてしまっても手に握りしめておりました。
なぜ片時も離さず持っているのか聞くと、これは、僕が叶と繋がっている唯一の証拠だからと、教えてくれました。
息子にとって貴方の存在は、世界を変えるに等しいものでした。
亡くなった息子がこんなにも安らかな眠っているように見えるのは、間違いなく、叶さんのおかげでしょう。ありがとうございます。息子の世界を変えてくれて、息子に希望をくれて、本当に、本当に……ありがとうございました。"
そう書きつづられていた。
読んだ瞬間から涙が止まらなくなり、嗚咽を漏らしながらもなんとか読み終えた。
隣で見ていたお母さんやお父さんもボロボロと涙を流し、顔を覆っていた。
はじめまして。幸の母です。
幸は一ヶ月前、実家にて、息を引き取りました。叶さんの存在は、前々から幸によく聞かされておりました。
何度も会いに行きたいと、そう、悲しそうに言っておりました。幸は、生まれた時から重い病を患い、貴方に出会った時はもう、いつ死んでもおかしくない状態だったのです。
……息子は、末期のガンでした。
いつもは悲しそうにしている時も、貴方の事を話す時は必ずとても嬉しそうに楽しそうに話をするものだから、その嬉しそうな笑顔が目に焼き付いています。
ずっと、亡くなる直前まで、貴方のご両親にいただいたミサンガを見つめ、千切れてしまっても手に握りしめておりました。
なぜ片時も離さず持っているのか聞くと、これは、僕が叶と繋がっている唯一の証拠だからと、教えてくれました。
息子にとって貴方の存在は、世界を変えるに等しいものでした。
亡くなった息子がこんなにも安らかな眠っているように見えるのは、間違いなく、叶さんのおかげでしょう。ありがとうございます。息子の世界を変えてくれて、息子に希望をくれて、本当に、本当に……ありがとうございました。"
そう書きつづられていた。
読んだ瞬間から涙が止まらなくなり、嗚咽を漏らしながらもなんとか読み終えた。
隣で見ていたお母さんやお父さんもボロボロと涙を流し、顔を覆っていた。