君はいつも、心の中に。
二つ目の手紙
……あぁ、幸の手紙を読まないと。
幸より、と、 酷く華奢で丁寧な字を書く幸の手紙を、震える手で開け、読み始めた。
"叶へ。
叶、叶に手紙を書くのは2通目だね。
この手紙が届く頃にはきっと僕は、この世にはいない。
叶、僕は、君に会えて幸せだった。
あの日語った夢。
笑いあった日々。
一緒に泣いたあの日。
僕は、全て忘れていないよ。
今すぐにでも、叶に会いに行きたい。
会って今すぐ話したい。そんな衝動に駆られるのに、会いに行けないこの非力な僕が憎い。
叶に会うまで僕は、この世界なんてどうなってもいいと思ってたんだ。いつ死ぬか分からないこの体を諦めてた。
だけど、叶に出会ってから、本当に本当にこの世界が変わったんだ。
生きる事が楽しくなった。明日が楽しみになった。愛おしいと思える心が芽生えた。世界が色とりどりになったんだ。
一年前の今日、僕はそう話したね。
叶、僕があげた本、もう1度見てくれた?
この本、僕達に凄く似てると思うんだ。
だから、この本を君にあげた。
叶、お肉食べられるようになった?
泣き虫な叶だから、毎日泣いてたりなんかしないかな。
叶、暖かい日になったら、お散歩行こうって約束、守れなくてごめんね。
言いたいこと、色々あるんだ。
伝えたいことがいっぱいある。
聞いて欲しいことがいっぱいあるんだ。
君に届けたかった、直接伝えたかったこの想い。もう伝えられないこの想い。
僕は、叶を愛していました。
控えめに笑う叶が好き。
困った顔で微笑んでくれる叶が好き。
優しい叶が好き。
泣き虫な叶が好き。
どうして、面と向かって伝えられなかったんだろう。
これが唯一の僕の後悔です。
叶から離れた今、僕は、今までの生活に戻ったよ。でもね、桜の木を見る度に、叶に会える気がして、愛おしいと思えるんだ。自然と元気が湧いてくるんだ。
叶。夢、頑張って叶えてね。
学校の先生になりたいんでしょう?
無邪気な笑顔を毎日見ていたいんでしょう?僕の事で止まらないで。
泣いてばかりいないで。悲しみにくれないで。
叶なら、絶対に学校の先生になれるから。大丈夫。根拠の無い自信だけど、どうしてか叶は大丈夫なんだって気がするんだ。僕はずっと、ずっと、叶を応援してるから。
だから叶、僕に縛られないで。夢に向かって進んでほしい。
叶、愛してる。
そして、僕の唯一の親友で、一番の愛しい叶に出会えたこの人生は、とても、幸せなものになりました。
ありがとう。
そして、さようなら。
箱根幸。"
幸より、と、 酷く華奢で丁寧な字を書く幸の手紙を、震える手で開け、読み始めた。
"叶へ。
叶、叶に手紙を書くのは2通目だね。
この手紙が届く頃にはきっと僕は、この世にはいない。
叶、僕は、君に会えて幸せだった。
あの日語った夢。
笑いあった日々。
一緒に泣いたあの日。
僕は、全て忘れていないよ。
今すぐにでも、叶に会いに行きたい。
会って今すぐ話したい。そんな衝動に駆られるのに、会いに行けないこの非力な僕が憎い。
叶に会うまで僕は、この世界なんてどうなってもいいと思ってたんだ。いつ死ぬか分からないこの体を諦めてた。
だけど、叶に出会ってから、本当に本当にこの世界が変わったんだ。
生きる事が楽しくなった。明日が楽しみになった。愛おしいと思える心が芽生えた。世界が色とりどりになったんだ。
一年前の今日、僕はそう話したね。
叶、僕があげた本、もう1度見てくれた?
この本、僕達に凄く似てると思うんだ。
だから、この本を君にあげた。
叶、お肉食べられるようになった?
泣き虫な叶だから、毎日泣いてたりなんかしないかな。
叶、暖かい日になったら、お散歩行こうって約束、守れなくてごめんね。
言いたいこと、色々あるんだ。
伝えたいことがいっぱいある。
聞いて欲しいことがいっぱいあるんだ。
君に届けたかった、直接伝えたかったこの想い。もう伝えられないこの想い。
僕は、叶を愛していました。
控えめに笑う叶が好き。
困った顔で微笑んでくれる叶が好き。
優しい叶が好き。
泣き虫な叶が好き。
どうして、面と向かって伝えられなかったんだろう。
これが唯一の僕の後悔です。
叶から離れた今、僕は、今までの生活に戻ったよ。でもね、桜の木を見る度に、叶に会える気がして、愛おしいと思えるんだ。自然と元気が湧いてくるんだ。
叶。夢、頑張って叶えてね。
学校の先生になりたいんでしょう?
無邪気な笑顔を毎日見ていたいんでしょう?僕の事で止まらないで。
泣いてばかりいないで。悲しみにくれないで。
叶なら、絶対に学校の先生になれるから。大丈夫。根拠の無い自信だけど、どうしてか叶は大丈夫なんだって気がするんだ。僕はずっと、ずっと、叶を応援してるから。
だから叶、僕に縛られないで。夢に向かって進んでほしい。
叶、愛してる。
そして、僕の唯一の親友で、一番の愛しい叶に出会えたこの人生は、とても、幸せなものになりました。
ありがとう。
そして、さようなら。
箱根幸。"