小さな奇跡。
憂鬱な状態のまま朝を迎えて…
ぽけーっとしたまま、
学校に行く準備をして…
頭の中では…
どうしよう。
あたしが女優になるのが夢なんて笑われるんじゃないかとか。
みんなに虐められるんじゃないかとか。
もぉ考え込んじゃって…
はじめは、隼人くんみたいになりたい、隼人くんに会いたいなんて夢ばかり描いてたけど…
現実はそう簡単じゃないって、
前回の撮影で思い知らされた…
学校につくと…
「ねぇ!
やーまーだーさん!」
「あっ。おはようございます。」
「そんなあらたまらないでよ!
同じクラスメイトでしよー!」
「ぅ、ぅん。」
「そうそう!
山田さんってドリスマ好きなの?」
「ぅん。」
「へー!
いがーい!誰担?」
「隼人くん。」
「隼人くんなの?うちも隼人好き♡
あっ!梨奈は、翔太くん好きなの!」
「へー。そーなんだ。」
「うん!
隼人くんが出てるドラマ見てる?」
「うん。」
「カッコイイよねー!もぉさ?キュン死するよね?」
「うん。」
するに決まってんじゃん!
あたし、したからね?キュン死。
なーんて言えず…
「うち女優目指そうかな?
隼人くんにあいたいからさ?」
「そーだね。」
「山田さんは、ないの?将来の夢!
今日の1限目に先生にいうじゃん?1人ずつ将来の夢。」
「ぅ、うん。」
なんであなたに言わなきゃいけないのよ!
バカみたい!
「まぁ。
どうでもいいっか!」
「苦笑」
キーンコーンカーンコーン♪
始まった…
地獄の時間。