小さな奇跡。
大きな一歩。
「着いたわよ!
元気出して!ちゃんと自分の気持ち伝えなさい!」
「はい!
ありがとう、愛菜さん!いってきます!」
決めたの!
1度目指したもの!足跡残すまで諦めない!
コンコン。
「失礼します!
遅くなってすみま……せん……。」
どうして?
なんで?
目を丸くして驚いてると、
監督が話し出した。
「いきなり呼び出してごめんね?
とりあいず、座って!」
「はい。」
「で、ドラマの話なんだが…
前回の演技が凄くてね?また是非お仕事一緒にしたいと思って今回ここに来たんだ!」
「それは、ありがとうございます!
でも…前回は、初めてでどうしても上手くいかないあたしを桐山隼人くんがリードしてくださったので、あそこまで素晴らしい作品ができたんです!」
「知ってるよ?」
「へ?」
「すべて知っているよ!
でも、あの時思った、山田さんにも輝く何かがある!
あと、桐山くんと相性もいいってね?」
「はい?」
「だから今回は、ふたつの作品に出てもらいたい!」
「ふ、ふたつですか?」
理解できない…
目の前に隼人くんがいて…
いきなり監督が出演オファーをしてきて…
「あぁ。そうだ!
ひとつ目は、私監督のドラマ可愛くなるもん!に出てもらいたくてね?このドラマは、単発ドラマをした後に連続ドラマ…映画と三段階にするつもりだ!」
「ぇーーーー!
ハードル高すぎます!
仕事を頂けるのはすごく嬉しいですが、いきなりそれは…」
「相手役は、桐山隼人くんだよ!
ちゃんとリードしてくれる…この仕事を通して勉強していけばいい。
別に完璧なんて目指しちゃいない!
ただこの物語は、ずっと地味だった女の子が年上幼馴染のことが好きって気づいて、可愛くなると決めて、最後ハッピーエンドって話なんだよ!
だからな?
見てる人に、努力すれば可愛くなれるってことを…頑張るってことを伝えてくれればいいだけ!そんなに難しいことではない!」
「努力すれば、叶う…」
「そう!
それは頑張りやな、桐山くんと、山田さんがいちばんわかってる事だろ?だから、山田さんを選んだんだ!」
「……頑張ります!
努力は絶対むくわれる!つたえます!」
「ありがとう!よろしく頼んだよ!」
「はい!」
「またよろしくね?凛ちゃん!」
「で、だな?」