小さな奇跡。
隼人side



久々に珍しく凛がNGを重ねてた。



何かあったなんて見てすぐわかった
同じ芸能人として俺だって色々悩むことだって沢山あって、ファンのみんなやマネージャーメンバーに支えられて今こうやって胸張ってこの仕事を続けられてる…


少しでも楽にしてあげたい、そう思った。



「りーん?
なんかあった?」

「隼人くん?!」

「なーんかまた悩んでるっぽいからさ?どうしたかな?って」

「へ?
……悩んで……ないよ…?」

「嘘ついてんね?」

「!!」

「あっ!
やっぱりね?学校でなんかあった?」

「いや…別に…。」

「なんかあるんだ!
俺さ?高校は芸能コースだったよ?
でも、中学校はみんなと一緒だったの。
みんなの見る目変わるよな?」

「……。」

「俺も苦しかった時あるよ?
俺もあんまり人に相談とかするタイプじゃなくてさ?自分でなんとかしないとって思うから、溜め込んじゃうの。
そんな時に助けてくれたのがメンバーだった。でもね?そのおかげで今こうやって仕事できてるんだなーって、今なら思うよ?」

「……。」


「俺の頑張り知ってんの凛ちゃんでしよ?
俺なんてマイク持つまで何年かかったと思ってんの?」

「……あたしだって!…エキストラのあの仕事もらうまで何年もかかったよ!」


「でしょ?
そこまで頑張れたんならさ?
凛ちゃんのやりたいことが本当にこれならさ?自分信じて自分らしく頑張ればいいんじゃない?アンチもあると思うよ?でも、認めてくれてる人はその倍いる。」

「へ?」

「俺も認めてるよ?凛ちゃんのこと!
正直最初は、イラッとしたけどね?」

「うそ…」

「ほんと!
今は辛いかもしれないけど…後から笑い話になるよ!
努力は絶対むくわれる!ね?」

「ぅん!
ありがとう、隼人くん!おにぃちゃんみたい!」

「確かに!」

「こんなおにぃちゃんいたらなー…」

「おにぃちゃんになってあげようか?」

「嬉しいなぁ、でも無理ですよ!
でも、相談できる優しいおにぃちゃんみたいな存在でいて欲しいな?」

「いいよー!」


「やったー!」



夢は見てても叶わないんだ。

自分で叶えるものなんだよ。


わかってたはずなのに、わかってなかった。


ありがとう!



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