小さな奇跡。



カーテンから差し込む光と
可愛い目覚まし時計からなる大きな音。


急いで飛び起きた


「あっ!仕事!………休みだ…。」


仕事ばかりの日々から少しだけ休みをもらえた今日。



「…あーぁ…。目覚ましの設定変えとけばよかった。」



いつもなら朝早くに起きて撮影に向かうのに…休みである今日は、あいにくの雨で学校の日。
学生であることを憎んだ。



ドラマは好調で、人気もますます出てきて…。

今では街で声をかけられることも、しばしば。


世間の人にあたしの存在を知ってもらえてることは嬉しいけど…。


その反面…。
あたしを嫌う人も多く学校の下駄箱には……。

『死ね』や『隼人くんから離れろ』や『消えろ』など…悪口のオンパレード。


そんなに嫌ならテレビ見なきゃいい訳で…。

あたしだって一緒にいたい!って思って誘ってそばに居るわけじゃないのにそこまで悪口言わなくても……。




お母さんはお父さんの単身赴任について行くーなんて言っちゃって…広い家にはあたし一人。


悪口の手紙や荷物も親がいない今、やりたい放題やられてて…。


学校なんて、行く気にすらなれない…。









「まぁ。卒業大事だし…行くか。」



気合いを入れるのに2時間かかったことは、誰にも内緒で……。






< 41 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop