小さな奇跡。
凛side






「無理するなよ…」


「……。」

分かってる…わかってる…。

だけど、あたしと隼人くんじゃ釣り合わないんだもん…。あたしがいるとみんなは嫌な気持ちになる…。



「初めて一緒に仕事した日も言ったろ?」


「……(コクンッ」


「頑張りすぎるな、頑張りすぎると空回りするだけ。」


「……(コクンッ」


空回り……。
してるかもしれない。


でも…。
頑張らなければあなたの横にたてないの……。


もっと強くならないと…。




「何かあるならちゃんと頼れ!
一人で悩んでも解決なんてできないぞ!」


頭に浮かぶのは言い訳ばかり…。
なのになぜか頼れって言われると頼りってみようかな?なんて思えて…。


でも…頼れるはずない…
もう迷惑なんてかけれない…。




「ぅん……ありがとう…ございます。
でも…大丈夫ですから。」


「大好きだったょ。」「助けて。」の気持ちを込めて「大丈夫」そう言った。


「本当か?
でも、無理はするなよ?」



無理はします。
でもあなたには迷惑かけません。


隼人くん?
あなたは誰のことを見てますか?


あたしは、あなたを見ています…。



諦めるから…頑張るから……。




今だけ…今だけ…許してください。






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