小さな奇跡。


あのあと愛菜さんには、また冷やかされて。


「何も無いですよー!」


なんて言ってるのに…全然信じてもらえないし…演技に少しは自信あったのになぁ…。



顔に出さずに頑張るそう決めたのに…

愛菜さんには嘘つけないみたいです。



「まぁ、何があったかわかんないけど、
一人で悩んでても意味ないからね?
一人で解決しようなんて無理だから!
ちゃんと頼んなさい!隼人くんを!」



「はい!
へ?はぃ?隼人くん?
愛菜さん頭大丈夫ですか?」


「あたしは、いたって普通よ?」


「は、はあ。?」



この人はあたし達が芸能人だとわかって話しているのか。



ん?
そう思えば愛菜さんドリスマに対してなんでも知ってるし…
まず、何で今日も隼人くんは愛菜さんのこと苗字じゃなくて愛菜さんって呼んだの?



「んー。
なんで?」



「なーに悩んでんの?
なんかあった?」




「あ、いや…。その…ね?」


「なーに!気になるじゃないの!」



これ聞いていいのかな?



「愛菜さんって、隼人くんと関係あるんですか?」



「んー。
なくもないかな?どうして?」


「少し気になって…。」


「気になるんだ!やっぱり!」



「いや?そういうわけでは…。」



いや、この人違う方向に言ってないか?
単に変だなと思っただけなんだけど…。


「そうねー。
話すと長くなるわね?帰り寄り道していく?」


「あっ、はい!」


「じゃぁ、行きつけのカフェで!」


愛菜さんカフェなんて行くんだ…。
意外かも。



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