小さな奇跡。
「でもね?
今の凛はちゃんと自分の気持ちに正直に努力できてるのかな?って思ってね?」
「自分の気持ちに…ですか…?」
「そう。
自分の気持ちに。
あたし言ったわよね?芸能人である前に、一人の人間なんだって!
芸能人って、芸能界って難しいと思う。それは、身にしみて実感したから言える。
でも、素直な気持ちも大切だと思うんだ。
凛は今が楽しいって心から言える?」
「今を…?」
「あたしは言えるよ?
隼人のことは、今では笑い話になるし、翔太に出会えて今はよかったって思うし。凛に出会ってこうやって凛のマネージャーとしてお仕事ができて毎日楽しいよ?
今のこの時を大切に楽しまないと意味無いと思うんだ。だから、凛にも素直になってもらいたい。隼人が努力して今の立ち位置にいることわかってるなら…凛も…凛も頑張って今が楽しいって言えるようにして欲しい!
だから…
何かあるならあたしでも隼人でもいいから頼ってほしい!
最近隼人も隼人で元気ないからさ?恋する乙女みたいでー!」
「は?はい?
やっぱり愛菜さん馬鹿なんですか?」
「マネージャーにバカは失礼ねー!」
「いや、だって…。」
「ホントのことよ?
隼人も隼人で悩んでるみたいだし、そろそろ聞かないとなーとか思ってたけど、それよりも深刻そうな凛見てたらほおっておけなくて!ね?隠してないでちゃんと言いなさい!
ね?あたしに隠し事はできません!」
「やっぱりバレてますか?
あたし演技に自身あったんだけどな…。」
「ほんとバレバレです!」
「でも、自分で解決したいんです!自分の力で!
だって、これはあたしの気持ちとの戦いだから!なーんか、愛菜さんが翔太さんと付き合ってること知ったら自分の悩みちっぽけで…ふっ切れました!」
「そんな嘘も程々に!
でも半分はホントっぽいね?」
「はい!本当ですよ?」
「なら良かった!
でも!」
「でも?」
「翔太と付き合ってることは内緒なの!
これ二人だけの内緒ね?」
「内緒?」
凛なら内緒にしてくれる!そう思ってたのに…。
「何が内緒!だよ。」
「へ?」
「隼人!なんでこんな所にいるの?」
「それはこっちのセリフだ。
なんで俺の行きつけにお前がいるだよ。」
「それはねー?
ほら、凛が行きたい!って言うからねー?」
「は?はぁー?
ちょ、ちょっと愛菜さん!」
「こいつ、ほんとめんどくさいでしょ?
翔太も飽きないねー?」
「え?今なんて?」
「翔太も飽きないねー?って言ったんですけど…」
「あの。
愛菜さん?内緒じゃなかったんですか?」
「内緒だけど?
てか、何であんたが知ってんのよ!」
「お前の親が言ってたし!
翔太くん連れて家に来たのーって目をハートにして。」
「あのクソ親。」
「まぁまぁ。二人ともやめてください!」
「で?
お前はなんでここにいる?」
「ちょっと、愛菜さんとお話を…。」
「ふーん。話しね?」
こいつ、いい所とろうとしている。
まぁ?
お互いの気持ちは把握済み!
あたしってなんて優しいの!?
「キモいぞ!」
「うるさいわね!」
まぁいい。
凛これから頑張るのよ!