小さな奇跡。
凛side




気づくと白い天井がみえる


ここは?



「いっ…」
あちこちがすごく痛む




「おい!大丈夫か?」




へ?声のする方にむくと…


まさかの隼人くん…。


「うん!大丈夫!ちょっと寝不足だったみたい!あたし女優失格だよね?」


「あ…いや…」


「さ!撮影再開しよう!あたしもう元気だから!監督さんに謝ってくるね!」



何とかこの空気からこの空間から抜け出したかった…

隼人くんとは話さない…お仕事以外で話してるなんてバレたら隼人くんの身が危険になる…




あたしが大丈夫だよ!って、
あたしが元気なふりをしてれば何も起きない…



この撮影が終われば
ドリスマとの共演をNGにしてもらえばいい…



とりあえずこの空間駆らぬけだるための…




なのに貴方はいつだって期待を裏切る





「あの…さ…?」

「ん?なに?撮影行かないと!」

「待て!」

「へ?」

「その…お前最近元気ねぇし…なんかスゲー痩せてきてるし…ケータリングいつも食べてねぇし…なんか俺避けられてる気がして…」


まさか…あたしの演技…迂闊だった


「そんなことないよ!ほら!見ての通り元気元気!それに少しダイエットしてるだけだし!ケータリング?ダイエット中だから自分でお弁当持ってきてるの!ただそれだけ!」


ちゃんと笑えてるか?そんなのどーだっていい。
とりあえずあたしの嘘を信じてほしい…


「あぁ。そうか…
もう一つだけいいか?」


「なに?」


「その腕の傷と足の傷…お前なんか隠してないか?
俺言ったよな?1人で悩んでても何もなんねぇって…
さっきのダイエットって嘘だろ?自分で完璧だなんて思ってっかもしんねぇけど…最近笑顔もぎこちねぇし…」




まさか…バレてたなんて…なんて返せば…。



「そんなことないよ!ダイエットしてるのホントのだし!この怪我?この前寝ぼけてたら階段から落ちちゃってさ?
ホントどんくさいよねー?」




もぉ早く騙されてよ!あたしだって今精一杯頑張ってるんだから!


「ふーん?ダイエットね?
ならダイエットやめれば?お前は太ってるって思ってるかもしんねぇけど…それはお前だけ…今のお前は全然太ってないむしろ痩せすぎ…さっきここまで連れてきたの俺なわけホント飯食ってんのかってくらい軽くて心配した…なんかあるなら言えよ!」



「う…うん?」




よし!終わる!抜け出せる!





はずだったのに…



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