小さな奇跡。

「隼人くーん!
凛ちゃーん?」

ふふっ。

いい気味。


「あれ?何してるの?凛ちゃん監督さん待ってるよ?遅いから見に来ちゃった!大丈夫?」


「は?お前かよ…
こいつのどこ見て大丈夫に見えるわけ?
監督に今日は中止にしてくれって言っておけ!」


なによ…この女のことばっかり…



「え?でも監督さんに連れて来いって言われたんだけど…」


「いいから行けよ!」

「なに?あたしがいると邪魔なの?
隼人くんって凛ちゃんのこと好きなの?これ世間にしれたらビックニュースだね?」


「は?何が言いたい?」


「凛ちゃんと隼人くんじゃ釣り合わないし…ファンのみんなが悲しむだけ…あたしと付き合えば仕事は増えるよーって言いたいだけ!ね?凛ちゃん?」


「そ…そーだよねー?
マリンちゃんだと…社長とかが押してくれるもん…ね…?」


「ほら!凛ちゃんも言ってるじゃない?
凛ちゃんって隼人くんのファンなんでしょ?
流石にそれはやばいよね?」


「…うん…。」


「隼人くんが凛ちゃんのこと好きかどうかなんてわかんないけど…これがバレたら大変だよ?監督さんも呼んでるんだし…言った方がいいと思うなー?」



早く出てけよ!この女…


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