先生。あなたはバカですか?【番外編SS集】〜君は今ここにいる〜
十分じゃねーか。


こいつとのこれからがある。


それだけで十分だ。


3年前の俺らからしたら、一緒にいられる未来がある。それだけで、奇跡以外の何ものでもないだろ?



その奇跡の中を、俺らは今こうして生きてる。



二人で作っていけばいい。



離れていた時間に負けない、これからの時間を。



これからのお前の時間は、全部俺のもんだ。


これからの俺の時間も、全部お前のもんだよ。






ジュウッという鍋が吹きこぼれる音で、肩を揺らした翠が俺の腕から逃れようとする。


だけど、そんな彼女を離さまいと腕に力を込めれば、彼女が頬を染めて困ったように俺を見上げるから。



「先生…お、お鍋が…っん!」



我慢できるかっつーの。



啄むように何度も唇を合わせていけば、最初こそ抵抗していた彼女の唇が、それに応じ始める。


それに合わせて、今度は深く彼女の中へと堕ちていく。



俺は、彼女の唇を味わいながら、片手間でコンロの火を止めた。



「っは……ま、待ってください!」


「やだ。待てない。全然足りない」


「…っ子供ですか!!ご、ご飯…作るの途中ですから!!」
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