先生。あなたはバカですか?【番外編SS集】〜君は今ここにいる〜
本当だな。
お前の側にいられなかった3年間なんて、すげーちっぽけに思えるくらい。
今日も明日も。
1年後も、10年後も。
その先もずっと。
お前でいっぱいいっぱいになってる俺の姿が見えるよ。
彼女の目を覆っていた手を、頬へと滑らせる。
「…たまにでいいからさ。また呼んで」
「……っ」
愛しさを込めて優しくその頬をなでれば、
彼女は困ったように眉を潜めつつも、真っ赤に染まった顔でコクンと小さく頷いた。
「よし。じゃ、寝室に行くか」
「ばっ…!!話がちがうっっ!!」
いつか、お前が俺の名前を当たり前のように呼ぶその未来は。
失った3年間よりずっと、ずっと尊いものだ。
お前が恥ずかしそうに俺の名前を呼ぶ度に思うんだろうな。
あー。これからが楽しみで仕方ない。
ってね。
SS2*名前を呼んで〜fin〜