先生。あなたはバカですか?【番外編SS集】〜君は今ここにいる〜
────ガシャン!
勢いよくテーブルに手をつき、ソファーから立ち上がれば、コーヒーカップが弾み中身が零れる。
「……っざけんな」
岩田先生が、驚いたように俺を見上げる。
俺は、そんな先生の胸ぐらに掴みかかる。
「できたらとっくにしてる……っ」
「川島……」
「なんでわかんないんだよ!!わかれよっ!!
あんたじゃなきゃ、またあの人を笑顔にすることなんてできねーんだよっ!!!!」
「……っ」
掴んだ胸ぐらを乱暴に離し、準備室の入口へ。
ドアのぶに掛けた手を止める。
くそ……。
もう。何だっていいよ。
何だっていいんだ。
俺じゃなくったっていいんだよ。
「……きっと、あの人はここに来ます。先生と向き合いに……。」
だけど、
どうか……どうか……。
「泣かせたら、今度こそ俺はあんたを許しません」
…………幸せになって。
「死んでも泣かさないでください」
俺の記憶の中の君が、笑顔でいっぱいになるように、
いつだって笑っていて。
君の笑顔を想うほどに俺は、
君を好きになってよかったと、心から想えるから────。
────────
────…せい。
「川島先生っ!」