先生。あなたはバカですか?【番外編SS集】〜君は今ここにいる〜
重いまぶたをゆっくりと持ち上げれば、見慣れた顔が俺を覗き込んでいた。
「宮原……?あれ。俺寝てた?」
「はい!そりゃもうぐっすりと!なので、じっくり先生の寝顔を観察させていただきました〜」
「……何してくれてんの。変態」
いつの間に寝てたんだ……?
すっかり茜色に染まった窓の向こうの空を見て溜息が零れる。
懐かしい夢を見た……。
どんな夢を見ていたか、もう具体的には思い出せないのに、もの寂しさだけがまだハッキリと残っている。
「てか、宮原何でいるの?さっき俺、追い出さなかった?」
「帰りのホームルーム済ませて、また来ちゃいました!」
テヘペロっという効果音付きで、舌を出す宮原。
「テヘペロ…じゃなくてさ。外暗くなる前に帰りなよ。変なおじさんに出くわすよ」
「先生が車で送ってくれるんで、全くもって問題ありません!」
「その発言自体、問題ありまくりだけどね」
「あ。やっぱりダメですか?ちぇ〜っ。」
まったくこの子は……。
どこまで本気なんだか。
「まぁ、それは冗談として!実は、渡し忘れていたものがあってきたんです」
何やらゴソゴソとスクールバックをあさり出す宮原。