先生。あなたはバカですか?【番外編SS集】〜君は今ここにいる〜
私の?
「強がったり、怒ったり、呆れたり、美味いもん食って笑ったりしてた。あ。殴ってきたりもしたかな」
「…どんな夢ですかそれ」
もっとマシな夢見て欲しかった、と思いながらも、確かに当時先生の前の私はそんな感じだったなと懐かしく思う。
主に、怒ってばかりいた気がする。
「だけど、目が覚めた時、お前はもう俺の側にはいなくてさ。お前の記憶が残ってた事は嬉しかったのに、同時に喪失感が半端なくて…」
先生の肩が、心なしか震えてる…。
「さっきも…お前の夢見てた。だけど…目ぇ覚ました時、お前がいなかったらどうしようかと思った」
「先生……」
「夢だったらどうしようって……。だけど、ちゃんといたな」
先生が体を起こし、私を真っ直ぐ見つめてくる。
「ちゃんと、ここにいるな」
そう言って安心したように微笑む先生。
一気に熱いものが込み上げてきて、強く唇を噛んだ。
「……っいますっ!」
もう離れたりしない。
何が起きたって、
どんな理由があったって、
神様に、どんな意地悪をされたって、
私は–––––。
「ずっと、ずっとずっと、私はここにいますっ!」