溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
俺と恋に落ちれば?
翌朝、大成さんより早めに目覚めてしまった私は、彼の顔が目の前にあるのに驚きつつ、じっと寝顔を見ていた。

長いまつげにすらっと通った鼻。
肌はすべすべで、どこにも隙がない、いい男。

しばらくすると、彼の目がパチッと開いたので、ビクッとしてしまう。


「澪、なに見てるの?」

「見てませんよ?」

「あれ、嘘つくんだ。さっきからずっと強い視線を感じてたんだけど」


ヤダ。起きてたの?


「き、気のせいです……わっ」


言い訳をしてベッドを出ようとすると、腕を捕まえられて抱きしめられてしまった。


「まだ少し早いだろ?」


壁にかかっている時計に目をやると、七時だ。


「もう時間ですよ?」


顔が真っ赤になっているのを自覚しながら身じろぎしたのに、離してくれない。


「ダーメ。スキンシップのお時間」


なに、それ?


「そんなの、彼女としてください」

「澪、婚約者じゃん」


それは“フリ”だから!
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