溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
遅刻になっている大成さんとペアを組んでいる私は、部屋数を減らしてもらい、ひとりで担当することになった。

頑張らなくちゃ。
大成さんも必死に働いている。私だって負けない。

黙々とベッドメイキングと掃除を済ませ、部屋を四つほど終えた頃、バタバタと大成さんが駆け込んできた。


「西條さん、遅くなりました」

「えっ、こっちはなんとかなるのに」


百花も担当が終わったら手伝いに来てくれるはずだ。


「そういうわけにはいきません。スタッフがひとり足りなくなると大変なのはよくわかりましたから。さ、やりましょう」


シャツの袖のボタンをはめながら言う彼は、かなり急いできてくれたようだ。
三日ほど前に風邪で休んだ人がいて、その穴埋めに皆で走り回ったので、欠員が出ることの大変さを身をもって知ったのだと思う。

すっかりコツを覚えた大成さんと一緒にベッドメイキングをしていると、彼は口を開いた。
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