溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
彼女はそれだけ言うと、私の手を引き、非常階段へと向かう。
「なに、どうしたの?」
顔が険しい百花にもう一度尋ねると、「彼氏とどうなってるの?」と聞かれた。
「どうって、今まで通り?」
ホント、どうしたんだろう。
「さっき……」
百花はそこまで言うと、黙り込みうつむいてしまう。
言いにくいことなの?
「百花」
私が促すと、彼女は顔を上げ口を開いた。
「さっきね、廊下で見たの」
「八坂さん?」
私が言うと、彼女はうなずく。
それがどうしたの?
「八坂さん、女の人と一緒だった。しかも、腕を組んで……」
百花は眉根を寄せる。
「腕……」
「八坂さんはにこりともしてなかったけど、女の人のほうはそりゃあもう弾けた笑顔で。八坂さんの顔を見上げてなんか話してた。なんていうか……とても仕事だとは思えなくて」
申し訳なさそうに言う百花の声は小さくなっていく。
そして私の頭は真っ白になっていた。
「なに、どうしたの?」
顔が険しい百花にもう一度尋ねると、「彼氏とどうなってるの?」と聞かれた。
「どうって、今まで通り?」
ホント、どうしたんだろう。
「さっき……」
百花はそこまで言うと、黙り込みうつむいてしまう。
言いにくいことなの?
「百花」
私が促すと、彼女は顔を上げ口を開いた。
「さっきね、廊下で見たの」
「八坂さん?」
私が言うと、彼女はうなずく。
それがどうしたの?
「八坂さん、女の人と一緒だった。しかも、腕を組んで……」
百花は眉根を寄せる。
「腕……」
「八坂さんはにこりともしてなかったけど、女の人のほうはそりゃあもう弾けた笑顔で。八坂さんの顔を見上げてなんか話してた。なんていうか……とても仕事だとは思えなくて」
申し訳なさそうに言う百花の声は小さくなっていく。
そして私の頭は真っ白になっていた。