溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
それで一緒にいたの? 


「澪には正直に話す。エグゼクティブスイートに彼女と一緒に泊まった」


彼がそう言った瞬間、頭が真っ白になる。


「けど、寝室は別。誓ってなにもしてない。一晩中、澪のことだけ考えてた」


そんなこと言ったって、簡単には信じられない。
断れなかったの?

私が唇を噛みしめうつむくと、彼は私の両肩に手を置いた。


「信じられないよな。ごめんな、澪」


大成さんの声が震えている。

彼の様子を見ていて、気がついた。
昨日の宿泊でエグゼクティブスイートが使われたのは一室のみ。
そしてその部屋はさっき私が掃除をした。


あの部屋は、セミダブルのベッドふたつとキングサイズのベッドひとつの寝室を持つ。
シーツが乱れていたのは、セミダブルのうちのひとつと、キングサイズのベッド。
ということは、彼の言う通り、寝室は別だったのかもしれない。


「俺、澪のこと、絶対にあきらめない。だからまた信じてもらえるように努力する」
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