溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
決戦のとき
それから一週間。
大成さんからの連絡は途絶え、家に帰ってくることもなくなった。
中野さんの家にいるのなら、電話くらいしてくれればいいのにとも思った。
でも、なにかわけがあるのなら、私は待つしかない。
私は彼に会えない不安や寂しさをピアノでごまかした。
一心不乱に指を動かし、彼に聞いてもらっているところを想像した。
『素晴らしいよ、澪』
大成さんは拙い私の演奏を聞いても、いつも褒めてくれた。
『俺のためにありがとう』とお礼まで言ってくれた。
そんなことを思い出してしまい、かえってつらくなる夜もあった。
だけど、このピアノは彼が私にくれたひとつの希望。
あきらめてしまった夢をもう一度見させてくれた。
また彼と会える日をあきらめずに待とう。そう思えた。
そんな生活を崩したのは、千代子さんだった。
なぜかチーフに、担当外の客室を指定され向かうと、彼女が待ち構えていたのだ。
大成さんからの連絡は途絶え、家に帰ってくることもなくなった。
中野さんの家にいるのなら、電話くらいしてくれればいいのにとも思った。
でも、なにかわけがあるのなら、私は待つしかない。
私は彼に会えない不安や寂しさをピアノでごまかした。
一心不乱に指を動かし、彼に聞いてもらっているところを想像した。
『素晴らしいよ、澪』
大成さんは拙い私の演奏を聞いても、いつも褒めてくれた。
『俺のためにありがとう』とお礼まで言ってくれた。
そんなことを思い出してしまい、かえってつらくなる夜もあった。
だけど、このピアノは彼が私にくれたひとつの希望。
あきらめてしまった夢をもう一度見させてくれた。
また彼と会える日をあきらめずに待とう。そう思えた。
そんな生活を崩したのは、千代子さんだった。
なぜかチーフに、担当外の客室を指定され向かうと、彼女が待ち構えていたのだ。